目に見る子どもの成長

朝晩の冷え込みを感じる季節になりました。子どもたちは、園庭で落ち葉やどんぐりの実などを牛乳パックの宝箱に集めて楽しんでいる様子が見られます。田んぼの稲刈りの後に姿を現していたバッタやカマキリはいつの間にかどこかに隠れてしまいました。こうした草花や木の実、虫たちが園庭での遊びの時間に四季を感じさせてくれています。鬼ごっこで人や置いてある遊具をよけながら勢いよく走り抜けていく年長児、アスレチックやブランコで器用に遊べるようになって友だちと過ごすことが楽しそうな年中児、先生や友だちに磁石のように引きつけあって一緒になって動いている年少児、季節のめぐりに合わせるかのように子どもたちも日々成長しています。

感染症予防の一環により、なかなか幼稚園児たちの様子をご覧いただく機会がない昨今、プレーデーを通じて園児たち一人ひとりがそれぞれに成長の変化を遂げている姿をご覧いただけたら幸いです。そして、お子さんたちが集団生活の中で人や物との関わりを育んでいることを、ご自身の目で見て感じ取っていただけるものと信じています。中でも、年長さんの「爽涼鼓舞」の演技や「クラス対抗リレー」は見応えある種目です。可愛い動きで「かけっこ」や「しまじろうのダンス」を大勢の人前で初めて披露する年少さん、1年の成長の大きさが目に見えて感じられる年中さん、子どもたちが私たち大人に喜びや感動を与えてくれる貴重な行事が無事に成功しますように。

仲間との関わりが広がれば、子ども同士、親同士の事で今までは無かった心配事や悩みが出るのは自然な事です。こんな事いちいち聞いたら煙たがられるかなあ、とかモンスター(笑)と思われちゃうかな、などとためらわずに気軽にお声かけください。気持ちよく毎日が過ごせるように一緒に考えて解決しながらお子さんの安心した園生活につなげていきましょう。

園長 熊田佳美

実り多い集団生活

 幼稚園の玄関前にはキンモクセイの木があって、今年もさわやかな良い香 りを放っています。キンモクセイの花はオレンジ色で、小さなつぶつぶの花 びらが寄り添いながら咲きます。残念ながら、幼稚園の子どもたちはまだ全 員で寄り添うことが叶わない状態が続いています。昨年の突然の一斉休園から一年半が経ち、それでもなお、私たちの生活を制限し続ける厄介な病気。 ここまで長期戦となるとは想像もつきませんでした。いつも思うのは、大人 の都合のしわ寄せが子どもたちに及ばないようにしてあげたいということ。 親、教師を問わず、みんな思いは一緒ですね。無事に10月から2学期の始 業ができた時は、揃って再会できる喜びを放ちながら元気いっぱいに過ごし ていけるように期待しています。

 始業が1ヶ月遅れた分、誕生会やプレーデーなど、例年にない時期に変更 しての実施となります。まず、長かった家庭での個人生活から幼稚園の集団 生活にシフトチェンジをして、課題ある活動を導入しながら生活体験を増や していけるように、先生たちも保育内容を再検討したり準備を進めたりして 過ごしてきました。お米の収穫、サツマイモ掘り体験、ふれあい動物園など 自然との触れ合いを通して感性を豊かに育み、身体いっぱい使って走ったり 踊ったりとプレーデー種目への取り組みを通して体力をつけ、何よりも家で はできなかった友だちとの遊びでコミュニケーション能力を高め、どの子も 「やっぱり幼稚園って楽しい」と思えるような社会性が養われる場所として、 毎日園児たちをお迎えします。

 家族内感染や子どもへの感染の広がりが懸念されましたので、食事等のテ ーブルには透明のパーテーションを使用するようにしました。健康に過ごす ためにも、手洗いやうがい、栄養のバランスを考えた食事、適度の運動、質 の良い睡眠などを心がけていきましょう。そうそう、ストレスも大敵です。 好きなことを生活に取り入れて程よく発散してくださいね。

園長 熊田佳美

命の大切さ

 昨年は「特別な夏」と言われていましたが、今年の夏を振り返って「○○な夏」と表現するならば皆さんは○○にどんな言葉があてはまりますか?
 新型コロナウイルス感染症予防で制限が必要な生活スタイルに加え、猛暑と落雷を伴うゲリラ豪雨、熱中症や食中毒対策に気が抜けない毎日。心身ともに疲れが溜まっておられるのではないでしょうか。どうぞ無理をなさらず、ご自愛ください。家で過ごす事が多かったと思いますので、広い庭を使って思い切り走ったり友だちや先生と活動してストレスを発散したりできるように楽しく過ごしていきたいと思います。

 この夏休み中、毎日のように命に係わるニュースを目にしました。園バス内の熱中症事故、降り続いた大雨による土砂災害、増加し続ける感染者数。信じがたいようなケースもあり、命を亡くす事が避けられなかったのか。
そんな思いで胸が痛みました。事例をもとに、再度、幼稚園生活における「安全・危機管理対策」を見直しました。例えば、園バス乗車における熱中症や感染症リスクへの警戒。大雨により警戒区域等に含まれる事が予測される場合の休園や保育時間変更、園バス送迎の臨時運休の措置。新型コロナウイルス感染症予防の強化をふまえた園生活スタイルと活動の工夫などです。
“大切な命を守るために”大人の私たちができることを考え実行すると同時に園児たちにも命の大切さを折に触れて教えていくことを続けていきます。保護者の皆様には引き続きご理解とご協力をお願いすることになります。
どうぞ2学期もお力添えをよろしくお願いいたします。

園長 熊田佳美

野菜の花

 照りつける陽ざしとジメジメした雨の天候を繰り返す季節になりました。早くも熱中症や食中毒に注意をしながら生活しています。また、依然として新型コロナウイルス感染症対策を念頭においた園生活が続いていますが、昨年中止した「保護者参観」は人数、参観時間、活動内容などを制限しながら今年度は実施に至りました。通用門からお帰りになる保護者の皆様からは「成長を感じました」と嬉しい声をかけていただきました。~百聞は一見に如かず~その言葉が頭をよぎった瞬間でした。

 園の庭には夏野菜の苗を植えています。年長児に見せながら植えたので、成長の様子を気にかけやすい場所を選んで、くま組ときりん組の靴箱の間にしました。順調に育ち、6月の初め頃からピーマン、ナス、ミニトマトの実を収穫しました。キュウリの赤ちゃんもお尻に黄色い花をつけたまま日に日に大きくなっています。収穫した野菜をお皿に入れて年長クラスで観察する時に、その都度クイズを出してみました。1問目は「キュウリの花は何色でしょう?」2問目の時は「ナスの花は何色でしょう?」3問目の時は「ミニトマトは1本の茎(房)には何個くらいついているでしょう?①1~2個 ②3~4個 ③5個よりもたくさん」こんな感じです。園庭やテラスで私を見つけると、「園長先生、黄色でしょ!!あの答えは紫でしょう?」というように次々と正解しています。ネットで検索したわけでもなく、図鑑を調べたわけでもなく、庭に行って自分の目で確かめて正解しているのです。

 中には関心が薄く、収穫した野菜にも興味がなさそうな子もいますが、未知なことが多く吸収していくエネルギーを持っている幼い子どもたちには、より多くの体験と出会い、その時の経験からたくさんの事を学んでいって欲しいと願っています。

園長 熊田佳美

良い仲間づくり

 まだ5月のカレンダーも10日ほど残っていますが、今年は梅雨入りの時 期が早いようで近畿、東海まで発表されました。続いて関東が梅雨入りする 日もそう遅くないかもしれません。本来、5月は五月晴れと言われるように 晴天と深緑と青空が気持ちよく、さわやかな風が吹く季節で植物の種まきや 野菜の苗植えなど活動も充実する時期です。今年は観光バスを使用しない形 での親子遠足を計画し、少しでも顔を合わせてクラスメイトを知るきっかけ を作りました。せっかくなので、ぜひどの学年も実施に至りたいと願ってい ます。てるてる坊主を作って飾る園児たちの思いが空に届きますように。 保護者の皆様も長く続く感染症予防対策で制限される生活で疲れも蓄積さ れておられることと思います。お子さんと一緒に歩いたり、体を動かしたり して気持ちを発散してみてくださいね。そして、同じクラスになった方々と の出会いを大切に良い仲間になってください。

 5月から2才児親子教室のバンビルームが始まり、自分たちより小さい子 を目にするようになったせいか年少組の子どもたちが急にたのもしく思え る瞬間が見られるようになった気がします。今年度初めての「お遊びの会」 にお越しになった方からも「穏やかで優しい雰囲気の中で園児たちがいきい きと遊んだり活動したりできる保育を展開できる先生方が素敵ですね」と声 をかけていただきました。また園庭での遊びの時間が重なったのでお帰りに なる際に「園児の皆さんがよく声をかけてくれて嬉しかったです」と感想を 伝えてくださった方もおられました。幼稚園の中では先生も子どもも良い関 係を築きつつあります。そして良い関係の環境の中で子どもたちは健やかに 大きく育っていくことでしょう。

園長 熊田佳美

プラス思考を忘れずに

 今年の春は桜やチュウリップの花々の開花が例年に比べ早かったので、園 庭のつつじが追いかけるように咲いて植栽に色を添えてくれています。4月 から環境が変わった園児たちも自分のクラスの中に根を下し、笑顔で園生活 を送れるような時期になりました。その一方で、気を張って頑張っていた緊 張がゆるみ、本音が見え隠れし始める時でもあります。急にわがままを言っ たり弱気なことを言ったりし出すかもわかりませんが、子どもの言葉だけで 心配するのではなく、担任や幼稚園の先生たちにも園の様子を聞いてみてく ださい。お子さんが自身の枝葉を増やして成長していくために必要な育て方 のヒントが見えてくると思います。

 これからしばらくの間は、気候が良く戸外での活動が気持ちよい時期が続 きますね。子どもたちが思い切って園庭で遊べるように、砂場の砂の清掃、 補充やアスレチックと固定遊具の点検を専門業者で実施し、田んぼや植栽の 草取りを職員で行いました。また、年長児が田んぼに入って田植えをしたり、 子どもたちと花の種まきや夏野菜の苗植えを楽しんだりして子鹿幼稚園の 庭づくりをしていきます。年間行事のひとつ、春の親子遠足は、あいにくバ スを使っての遠出は叶いませんが、自然や遊具が程よく配置された地域の公 園にそれぞれ学年で出かけて親子揃って親睦を深められるようにと企画し ていますので、ぜひ楽しみにしておいてください。比較的長いゴールデンウ ィークも、それぞれのご家庭で過ごし方を考えておくと休日の時間を有効に 使えて楽しく過ごせるのではないでしょうか。どうせコロナで何もできない。 と考えるよりも嬉しいことや楽しいことの中から今できることを見つけて、 健康に過ごしましょう。

園長 熊田佳美

お子様の進級・ご入園おめでとうございます

 温かい日和の春、桜やちゅうりっぷの花々が早くに咲いて、子どもたちの新学期を今か今かと待っていました。私たち職員も、園庭や園舎の環境整備、新学期の保育活動準備、職員同士の話し合いなど、新年度のスタートに合わせて進めてきました。一年前は、園庭には子どもたちの姿は無く、ただ季節だけが変化していく毎日だった事を思い出します。こうして進級や入園を喜び合って、新しい出会いで始められる年度のスタートは本当に嬉しいものですね。まだまだウイルス感染予防には油断ができませんが、石鹸での丁寧な手洗いとマスクの適時利用をいつも心がけ、免疫力アップにつながる心と身体の栄養を吸収しながら毎日楽しく元気に過ごしていきましょう。

 家庭生活を離れ集団生活の一歩を踏み出す新入園児、担任やクラスメイトが変わる進級児。しばらくは緊張が続く子もいるかもわかりませんが、園ではお子さんが幼稚園の中で居心地の良い場所や好きな遊び、好きなお友だちを見つけられるように努めます。また、担任をはじめ職員全員で協力し合いながら一人ひとりのお子さんをサポートいたします。どうぞ安心して私たちにお任せください。春休み中の預かり保育で嬉しい出来事がありました。その男の子は、照れ屋で自分の表現が上手くいかず、誤解を招くような言葉や行動を発してしまう事がたまにあります。その度に、相手が不快な思いを受けて怒ったり泣いたりした様子を目の当たりにして、子どもなりに後悔したり考えたりして対人関係を学んでいます。照れ屋がゆえに、それまで挨拶も恥ずかしがって声が出ませんでした。預かり保育中、その男の子が得意とする折り紙やカードゲームのUNOをして一緒に遊びました。できるだけいっぱいコミュニケーションをとってみました。その日の帰りの出来事です。靴を履き終えたその子が、振り返って元気な声で「さようなら」と言ったのです。その子は前からこの瞬間を待っていたのでしょう。とてもいい笑顔をしていました。

園長 熊田佳美

お子さまの卒園・修了おめでとうございます

 園庭の花々が咲き出し、見上げると桜のつぼみも膨らみ始めました。いよいよ卒園・修了の時を迎えます。今年度は57名の年長児が卒園し、41名の年少児と53名の年中児が修了します。毎日積み重ねてきた園での集団生活の中で、たくさんの経験をして、どの子も大きく成長しました。

 昨年、突然に発令せざるを得なくなった「臨時休園」から一年が経ちました。この一年を振り返りますと、常に「感染症予防」がつきまとう生活だったように思います。ただ、園行事について年度の前半は何をするにも中止、休止、といったやり方で決定していたことが、後半は最善の時期、方法はどうしたらよいかと進めてこられたことに大きな違いを実感しています。また、保育活動中の園庭での戸外遊びは一年を通じて制限することなく行いました。おうち時間が増えて、室内で過ごすことが増えた子どもたちにとって、思いっきり走り回って、季節の移り変わりを体感しながら伸びやかに遊ぶことができたのは何よりも幸いに思います。先日、園生活最後の体育教室で年長の子どもたちがタイムリミット制のリレーをしていました。泣いたり笑ったり一緒に過ごした同士で一つのバトンを繋いでいく様子に胸が熱くなったと同時に、一人ひとりの走る姿の頼もしさ、逞しさに感動をもらいました。 

 ベストを尽くしているつもりでも至らぬ所もあり、時には不安や不快な思いをさせてしまった言動もあったかもわかりません。そんな私たち、園の教職員に寄り添ってくださっている保護者の皆様には、本当に感謝しています。心を込めて“ありがとうございます”の気持ちをお届けいたします。

 なお、子鹿幼稚園が加盟している「千葉市幼稚園協会」と最近ニュースで騒がれている「全国私立幼稚園連合会」は無関係の団体であること、申し添えておきます。  

園長 熊田佳美

大人気のリーダー活動

 春の風を感じる季節になりました。昨年からの感染症対策の中での生活も一年が経とうとしています。今年度は保護者の皆様に園に足を運んでいただく回数が激減する中、ようやく実施できた「子鹿パーティーの劇の発表」でした。園児たちの舞台はいかかでしたか。

友だちと慣れ親しんで楽しそうにしている様子、先生の話を聞いて上手に行動している様子等々、しばらくぶりに見た園生活の一コマから我が子の成長を感じられたのではないでしょうか。その力は毎日の繰り返しの中で、様々な体験をしながら少しずつ積み重ねてきました。日頃、形では見えにくい部分の育ちを発表の機会に感じ取っていただけたものと信じています。学校教育においても体験学習の重要性が取り上げられていますが幼児教育もまた同じです。特に子鹿幼稚園では保育の特色の一つに挙げて園児たちが日々の体験や経験をたくさんできるように心がけています。

最近、年少組の子どもたちが「牛乳当番」を始めました。年中、年長組になるとリーダー活動があります。年少の牛乳当番は、先生と一緒に4人くらいずつで出かけて、「こんにちは」「牛乳を取りに来ました」「私(僕)は、○○組の~です」と名乗って1本ずつ牛乳を受取り、「ありがとうございました。」「さようなら」と一連のやり取りをした後、クラスの子どもたちの所まで牛乳を配達します。年中のリーダー報告は二人組、年長のリーダー報告は一人で職員室まで出かけます。どの子も、この当番がとても好きなようで、自分の番が巡って来るのを毎日楽しみにしている様子が伺えます。園児にとって、頼りにされて役に立つことができた喜びを感じられる魅力ある体験なのでしょう。

 子どもが張り切って何かを頑張る姿は見ていてこちらも嬉しくなります。

園長 熊田佳美

コミュニケーション力の蓄積

 3学期が始まったと同時に千葉県を含む対象地域に発出された緊急事態宣言を受け、再び保育行事や活動の変更を余儀なくされました。それでも変わらず元気にしている園児たちを見ていると、頑張らねば!という思いが湧いてきます。子どもの成長をご覧いただく節目の3大行事のうち、プレーデーは内容を縮小して各ご家庭から1人だけの参観、お店屋さんごっこは参観を中止。やむを得ずとはいえ保護者の皆様に様子をご覧いただく機会が激減している中、これから迎える子鹿パーティー(劇の発表)は、これまでに学んだ感染予防対策を十分に生かしたうえで、無事に行えるように切に願っています。

 園ではホールのステージを使っての劇の練習が始まりました。役のお面をつけて嬉しそうに取り組んでいますが、時間が経つにつれ、出番が来ないと飽きてしまってふざけ始める子もいます。そんな時、担任は「お友だちがどんなふうにしているか見ていてね」とか「お歌を歌って応援してあげようね」など声かけをして気持ちを持続させてクラス全体でお話が進んでいくよう心がけているようです。終わりに「みんな今日の劇はどうだった?」と尋ねると、ほとんどの子どもたちが「楽しかったー!」と答えます。時々、「つまんなかった。だって○○ちゃんが…なんだもん」と活動中に友だちとのトラブルがあったことを漏らす子がいると、「どうしたらそうならなかったのかな」と解決の方法を子どもたちに投げかけています。人と人との触れあいが制限されている辛抱の生活が続く中でも、子どもたちは心を通わせ喜怒哀楽の気持ちの表現の仕方や受け方を日々学んでいるのですね。

園長 熊田佳美